浜矩子著『どアホノミクスへの最後の通告』

2017.04.28

日々閑々,

どアホノミクスへ 最後の通告作者: 浜矩子出版社/メーカー: 毎日新聞出版発売日: 2016/10/07メディア: 単行本この商品を含むブログを見る ときどき新聞のコラムなどで見かける浜矩子さん、反安倍(アベノミクス)が明確で気持ちのいい方なんですが、経済予測はほとんど当たらないことでも有名な方です(笑)。ただ、経済予測なんてどっちにしたって五分五分なんですし、そん...

ビー・フェイユイ(畢飛宇)著『ブラインド・マッサージ』

2017.04.27

映画,

ブラインド・マッサージ (エクス・リブリス)作者: 畢飛宇,飯塚容出版社/メーカー: 白水社発売日: 2016/08/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見る ロウ・イエ監督の「ブラインド・マッサージ」を見て、面白そうと思い読んだ本ですが、もう一度映画を見たくなりました。原作があり映画化される場合で、原作も良かった、映画も良かったというケースは稀で、期待して...

加藤陽子著『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』

2017.03.29

, 歴史

それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫)作者: 加藤陽子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/06/26メディア: 文庫この商品を含むブログ (16件) を見る 著者の加藤陽子さん、東大の教授で専門は日本現代史、ご本人はこの本の中で(専門は)1929年の大恐慌、そこから始まった世界的な経済危機と戦争の時代、なかでも1930年代の外交と軍事です。...

遠藤周作著『沈黙』 映画と原作

2017.03.10

映画,

沈黙 (新潮文庫) 作者: 遠藤周作 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1981/10/19 メディア: 文庫 購入: 26人 クリック: 337回 この商品を含むブログ (266件) を見る映画「沈黙‐サイレンス‐」マーティン・スコセッシ監督を見て、原作を読み直してみました。読み直すといっても、前回読んだのは云十年前の中学生(と記憶していましたが...

阿部和重著『シンセミア』え!?こんなにたくさんの人間を殺してしまうの?

2017.02.18

挫折しそうになっていた『シンセミア』、結局読み切りました。ausnichts.hatenablog.comただ、結構ずるをしていますので、本当のところを読み切れていないかもしれません。まあ、性もないと読んだ本を良かったと思えるわけはないのですが、それでもやっぱり、この本を良かったと思う人そう多くないでしょう。あとがきに池上冬樹が解説を書いていますが、冒頭を引用しますと、いやはや面白い。ほ...

阿部和重著『シンセミア』危うし、投げ出し寸前…か?

2017.02.14

シンセミア(上) (講談社文庫)作者: 阿部和重出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/05/15メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る シンセミア(下) (講談社文庫)作者: 阿部和重出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/05/15メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る 以下、何の内容もない文章...

熊谷奈緒子著「慰安婦問題」

2017.02.05

日々閑々,

慰安婦問題 (ちくま新書)作者: 熊谷奈緒子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2014/06/04メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 図書館に返却に行った際、予約してある本も来ていないので何かないかと手に取った本です。今現に問題となっていることに対して、新しい研究内容や視点を提供するわけでもなく、自分の立場を明確にするわけでもなく、単に網羅...

高橋和巳著『邪宗門』 一生に一度は読むべき本

2017.01.23

高橋和巳著『邪宗門』邪宗門 上 (河出文庫)作者: 高橋和巳出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/08/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る いやー、すごい本でした!もう一度読み直さないと何か書くのも難しいくらいです。この本が何であるかを的確に表現する文章が、著者本人のあとがきにありました。発想の発端は、日本の現代精...

吉田修一著『橋を渡る』 ネタバレ/70年後の未来にオチをつける異色作

2017.01.04

橋を渡る作者: 吉田修一出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/03/19メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 吉田修一さんの本はかなり読んでいますが、この作品は、中盤までかなりの違和感を感じる内容です。先へ進みたいという気持ちが一向に沸き上がってこないのです。これまで読んだ作品みな、掴みがうまいというとなんですが、数ページ読んだだけで、...

高橋和巳著『邪宗門』

2016.12.26

 高橋和巳さんの著作が河出文庫で復刻されつつあります。邪宗門 上 (河出文庫)作者: 高橋和巳出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/08/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る 邪宗門 下 (河出文庫)作者: 高橋和巳出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/08/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (...

川上未映子著『乳と卵』ラスト、鏡の前に立つ「わたし」が印象的

2016.11.29

乳と卵(らん) (文春文庫)作者: 川上未映子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/09/03メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 50回この商品を含むブログ (68件) を見る 『ヘブン』に続いて読んでみました。2007年下半期の芥川賞受賞作です。読み始めて数ページ、その読みづらさに、ああ、何か面倒だなと、しばらく放置しておいたのですが、再び手にと...

川上未映子著『ヘヴン』文体のリズムで人物を浮き上がらせるタイプの作家(1冊読んだだけの多分)

2016.11.08

NHK の「SWITCHインタビュー 達人達」という番組の「新海誠×川上未映子」の回を見て、川上未映子さんのパワフルなトークに興味を持ち読んでみました。ついこの間のことですので、私が見たのは再放送だったようですね。あっ、「君の名は。」を見に行く気になったのも、この番組見たせいかもしれません。別ブログ「そんなには褒めないよ 映画評」に書いたんですが、アニメをほとんど(全く)見ないのに、なぜか見て...

中村文則著『私の消滅』 面白いけれど、観念的すぎて、次の日には忘れてしまうかな…

2016.10.27

芥川賞受賞作『土の中の子供』以来です。えー、もう10年前ですか…。 あまり記憶していませんが、内容の重さに対して、表現力や文体がついてきていなかった印象が残っています。私の消滅作者: 中村文則出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/06/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る 偉そうな言い方になりますが、さすがに10年ともなれば、成長...

青木理著『日本会議の正体』 こうやって日本会議、日本会議ということが逆にその存在をより大きなものにしているのかも知れない

2016.10.19

日々閑々,

日本会議の正体 (平凡社新書)作者: 青木理出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2016/07/08メディア: 新書この商品を含むブログ (9件) を見る 2,3ヶ月前に「日本会議」について読んでみようと、図書館に3冊ほど予約しておいた最後の本です。菅野完著『日本会議の研究』 を読んで、もうこれでいいかなと思ったのですが、1冊読むなら、絶対こちら(青木理著)ですね。...

井上荒野著『だれかの木琴』 映画はほぼ完璧に原作を映像化しているし、原作を超えているかも。

2016.09.23

映画「だれかの木琴」を見て面白かったので原作を読んでみました。だれかの木琴 (幻冬舎文庫)作者: 井上荒野出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2014/02/06メディア: 文庫この商品を含むブログを見る  映画のレビューはこちら。ausnichts.hatenablog.jp映画はほぼ原作に忠実に作られていますね。人物像については、映画を見た後ですので、ど...

辻田真佐憲著『ふしぎな君が代』 三宅純さんのブルガリアンボイス風合唱付きアレンジはカッコいいですが、この評価がこれまた利用されそうで…

2016.09.05

日々閑々,

下の引用 「シン・ゴジラ」の記事で紹介している辻田真佐憲さん、興味を持ち、二冊読んでみました(います)。『ふしぎな君が代』と『たのしいプロパガンダ』です。 ふしぎな君が代 (幻冬舎新書)作者: 辻田真佐憲出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2015/07/29メディア: 新書この商品を含むブログ (5件) を見る 『たのしいプロパガンダ』の方はまだ読了していませ...

菅野完著『日本会議の研究』 2016年、「生長の家」原理主義者たちは綿に水が染み入るようにやってくる

2016.08.26

日々閑々,

安倍政権に象徴される日本の右傾化への危機感かと思いますが、このところ「日本会議」に関する本が続けざまに発刊されているようです。そのうちの2冊を読んでみましたが、「日本会議の研究」はかなりの力作で、著者自身によりますとかなり過去の資料を読み込んで書かれたようで、日本会議の実相に迫っている印象です。日本会議の研究 (扶桑社新書)作者: 菅野完出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 201...

渡邉格著『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』

2016.08.18

ある意味「成功物語」の本と言えます。人生の目的を見いだせないでいた青年が、30歳にして一念発起、パン屋になることを決心し、数年の修業を経て独立開業、天然酵母を使ったパン屋を開業して大成功するというお話です。ただ、大成功と言っても大儲けしたという話ではなく、自分の信念に基づいた人生を送ることができているという意味です。10代、20代の、自分の将来に迷いのある人には良い指南書ではないかと思います...

大城立裕著『カクテル・パーティー』 50年前の沖縄の小説が、何も変わっていない沖縄、アメリカ、日本の関係を教えてくれる。

2016.08.06

, 歴史

二ヶ月ほど前の中日新聞で特集されていた「大城立裕」さんの「カクテル・パーティー」です。1967年の作品で、その年の上半期芥川賞を受賞されています。カクテル・パーティー (岩波現代文庫)作者:大城 立裕発売日: 2011/09/17メディア: 文庫 簡単(ではなくなってしまいましたが…)に内容を書きますと、本土復帰前のアメリカ統治下の沖縄が舞台です。役所勤めの「私」...

ビブリオバトルってなんだ? たまたま東区高校生ビブリオバトルという催しを見ましたが、これいいですね。

2016.07.30

, 生活

図書館へ寄りましたら、「東区高校生 ビブリオバトル2016」という催しのチラシがありましたので、何だろう?とのぞいてみました。チラシから引用しますと、知的書評合戦「ビブリオバトル」とは?発表者がお気に入りの本をプレゼンし、どの本を読みたくなったかを全員の投票で選ぶ新しいタイプのコミュニケーションゲームです。 ということです。こんな感じで、自分が勧める本を熱い口調で観客にプレゼンテー...