この国の空 (新潮文庫)作者: 高井有一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/04/30メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る 荒井晴彦監督、二階堂ふみ主演「この国の空」の原作です。 (さらに…)...
出だしでつまずき、これは読み切れないかもと思いましたが、中頃からはぐっと惹きつけられ、その後はあっという間でした。流作者: 東山彰良出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/05/13メディア: 単行本この商品を含むブログ (88件) を見る つまづきかけた訳は、出だしの過剰な文章や語り口が受け付けなかったからです。こんな感じです。色の黒い年寄りがひとり、畦...
太平洋戦争の戦中、戦後について詳しく学んだ記憶がなく、漠然とですが、戦後は戦前の軍国主義が否定され、一夜にして民主主義の国に生まれ変わったような印象を持っていましたがとんでもありませんね。考えて見れば当たり前で、人間自体変わることが不得意な上に、組織ときたら持続することが本質なわけですから、国を操る人間たちが一掃されなければ、国が変わるはずはありません。どうやら戦争を仕掛けた者たちが戦後もこの...
内田樹さんと白井聡さんの対談「日本戦後史論」を読んでのメモです。 日本戦後史論作者: 内田樹,白井聡出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2015/06/12メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る なるほどと思ったり、ええそうなのかとたくさん気になる箇所はあったのですが、なにせ対談ですので、話は前後しますし、論点が深まらずに言いっ放し(笑)のところも多...
原貴美恵著「サンフランシスコ平和条約の盲点」東西冷戦による対日本政策の転換その時日本に何が起きていたのか?領土紛争の楔論原貴美恵著「サンフランシスコ平和条約の盲点」サンフランシスコ平和条約の盲点 《新幀版》作者: 原貴美恵出版社/メーカー: 溪水社発売日: 2012/12/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 「なぜ日本は...
僕たちは戦後史を知らない――日本の「敗戦」は4回繰り返された作者: 佐藤健志出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2013/12/04メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見る この本、たまたま図書館で手にとったんですが、びっくりしました。日本の戦後に対する論点が、しばらく前に読んだ白井聡著「永続敗戦論」とかなり近い、というかパクリ?と思う...
これまで朝鮮半島、台湾、そして北方領土と、日本の敗戦処理はどのように進められたかを見てきましたが、アメリカの方針は、当初、日本の非軍事化、民主化が基本でしたが、朝鮮戦争や中華人民共和国の成立という東西冷戦構造が明確になるに従って、日本の位置づけが反共防衛の前線と変化していき、保守層の温存、限定的な武装化の道を進むことになったということです。要は、アメリカにとって、東アジアにおける「脅威が、日本の...
臨時国会開いて突っつかれるより、戦争ごっこやっている方が楽しいのでしょう。嬉しそうに書いている読売を引用しておきますが、リンクが切れるでしょうからロイターも貼っておきます。安倍首相、米原子力空母に乗艦 | Reutersさて、原貴美恵「サンフランシスコ平和条約の盲点」を読む(3)北方領土です。これまでのまとめ千島列島~北方領土講和会議でのグロムイコ外相演説ダレスの脅し(恫喝)...
「日本の独立は神話か?=原貴美恵「サンフランシスコ平和条約の盲点」を読む(1)概要~朝鮮半島」からの続きです。1951年9月8日に日本と連合国との間にかわされたサンフランシスコ平和条約の台湾に関する条項は次のとおりです。第二章領域第二条(b)日本国は、台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。確かに著者の言う通り、どこに対して放棄したのかの帰属先...
「TPP 大筋合意」となり、大筋ってどの程度?というツッコミは置いておいても、安全保障に TPP ときて、ますます日本の「アメリカ51番目の州化」が進んでいます。TPP については実際に発効するまでにはまだまだ紆余曲折があるかもしれません。日本の議会は今や大政翼賛会みたいなものですからすんなりでしょうが、アメリカは大統領選とかぶっていますし、そう簡単にはいかないでしょう。それにしても「ジャパン...
なぜ安倍くんは、「日本を取り戻す」とか「美しい日本」とか、戦前の国体思想回帰を叫びつつアメリカに媚びを売ろうとするのか不思議で仕方がなかったのですが、この本を読んですっきりしました。永続敗戦論――戦後日本の核心 (atプラス叢書04)作者: 白井聡出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2013/03/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (31件) を見る ひ...
しばらく前に最新刊の『だから日本はズレている』について下のように書いたのですが、読んだのはこちら『絶望の国の幸福な若者たち』が先で、まあどちらが先でもいいのですが、今ではかなり記憶も薄れてしまっていますので、ざっと読み返しながら書こうかなと思っているところです。<a href="http://ausnichts.hatenablog.com/entry/2015/01/08/203132"...
伊勢崎賢治さんの「日本人は人を殺しに行くのか」の中に、安倍晋三くんが軍事同盟というのは血の同盟であって、日本人も血を流さなければアメリカと対等な関係にはなれないなどと言っているとのくだりがあり、まさかいくらなんでもそんな時代錯誤なことはないだろうと「この国を守る決意」を読んでみましたら、確かにありました(笑)。この本、岡崎久彦さんとの共著となっており、二人の対談を編集者がまとめたものでは...
キスについて、唾液の交換が気持ち悪いと言ったとかの話題をネットで見て興味を持っていた古市憲寿さんの「絶望の国の幸福な若者たち」と「だから日本はズレている」を続けざまに読んでみました。前者は後にして先にこちらから。だから日本はズレている (新潮新書 566)作者: 古市憲寿出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/04/17メディア: 単行本この商品を含むブログ (19件)...
「武装解除 -紛争屋が見た世界」に続き、伊勢崎賢治さんの現在の考えを知りたくて読んでみました。日本人は人を殺しに行くのか 戦場からの集団的自衛権入門 (朝日新書)作者: 伊勢崎賢治出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2014/10/10メディア: 新書この商品を含むブログ (5件) を見る 言っちゃなんですが、タイトル付けが下手ですね。せっかくいい本なのにも...
movieimpressions.com「ニンフォマニアック」を見終えてネットをしていましたら、「ユリイカ」がラース・フォン・トリアー特集をやっていることを発見、早速読んでみました。ユリイカ 2014年10月号 特集=ラース・フォン・トリアー 『奇跡の海』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』から『ドッグヴィル』、そして『ニンフォマニアック』へ作者: ラース・フォン・トリアー,シャルロット・...
この本を読み終えたところで偶然「SYNODOS」の記事を目にし、結構興味深かったので、下のリンクに先ほど書いたところです。SYNODOS「伊勢崎賢治×伊藤剛」が面白い!一年前の記事がなぜ再掲載されているか分からないが… - @半径とことこ60分ただ、興味深く感じたことの多くは伊藤剛さんの発言でしたが…。伊勢崎賢治さんという方を初めて目にしたのは某テレビ番組ですが、イラクに関する発言ですごい存...
「リスボンに誘われて」を見た後、すぐに図書館で予約しておいたのですが、映画の影響で予約が多かったんでしょう、やっと手に入りました。リスボンへの夜行列車作者:パスカル メルシエメディア: 単行本 つい最近、スティーブン・キングさんがインタビューで「私にとっては、映画は小説よりも下に位置する、はかない媒体だ(映画.com)」と、原文では「But I see them as a...
もちろん観念的な意味においてですが、他者との関係の拒絶と無関心は究極の優しさにつながるのかも知れません。悪童日記 (ハヤカワepi文庫)作者: アゴタクリストフ,Agota Kristof,堀茂樹出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2001/05メディア: 文庫購入: 100人 クリック: 3,630回この商品を含むブログ (265件) を見る 映画「悪童日記」...
とても分かりやすくて説得力のあるいい本だと思います。 同性愛と異性愛 (岩波新書)作者: 風間孝,河口和也出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2010/03/20メディア: 新書購入: 5人 クリック: 88回この商品を含むブログ (30件) を見る 導入ともなっている第一章の冒頭の話がとても示唆に富んでおり面白いです。1999年3月23日付の東京新聞夕刊にこ...