ミシュランの三っ星騒ぎも、はや遠〜い過去のことのように思える、ホントに、ホントに、過剰な情報に追い立てられる毎日ですが、今朝、ふとこんな疑問が頭をよぎりました。
「すし」って料理って言えるのかな…?
ミシュランの東京版には三っ星が8店もあり、その内訳は日本料理3店、フランス料理3店、そしてすし屋3店となっているようです。
あえて「すし屋」と書きましたが、「すし料理」ってあまり言わないですし、日本料理ではあっても日本料理そのものではないですし、あえていえば、日本料理の一品ですよね。私には、すしって、うなぎやうどんのような丼物に近い、まあファーストフード的なもの、と言うと言い過ぎなら、てんぷらのようなもの、私の中には「てんぷらとうなぎは外で食え」なんて勝手な思い込みがあるのですが、その中に加えて「てんぷらとうなぎとすしは…」と3つに増やさなくてはいけないようなものに思えます。
確かに金額が張る食べ物ではありますが、それはネタが希少で割高というだけで、料理のレベルイコール金額というわけではないですよね。
なんて思っていたら、とんでもない人がいるんですね。「小野二郎」さん、人間国宝級とも言えるすし職人らしいです。実は、三っ星店の一店「すきや橋次郎」の店主なんですが、伝説が伝説を生み出すようなすごい人で、たとえ席が空いていても一見さんじゃ二郎さんの前には座れないとか、二郎さんがにぎるところはまるで舞のようだとか、そんな神様のような人らしいです。
当然この世のことですから、こういった話には必ず「たかが寿司でしょ」とか「評論家がつくりあげた虚像だよ」などといった様々なやっかみのような考えもあるわけですが、まあそれはさておき、実際に口にしたことのないのに、その上、全くのグルメでもない私がどうこう言うのもなんですが、確かに職人さんとしてはすごい人なんだろうとは思いますが、料理ってもう少しトータルなもののような気がするんですよね。
もちろん、分かりますよ、「二郎さんのにぎるすしは宇宙だ」なんて、そこに深い深い哲学的なものを読み取ったり、「小野二郎のすしは宝石のように輝く」なんて芸術視点で語る人がいることも。でも、なんかミシュランとすしって、いくら戦略的な意図の上に作られたガイドブックとはいえしっくりきません。職人技と料理って、やや違うって感じしません?
そろそろ退散しないと、「クルクル回ってるすし屋しか知らねぇんじゃねぇの」って声が聞こえてきそうですが、もうひとつだけ。ミシュランのサイトをのぞいていたらこんなんありました。
ミシュランの星は、あくまで皿の上に盛られたもの、つまり料理そのもののみの評価で、
(1)素材の鮮度と品質
(2)調理技術の高さと味付けの完成度
(3)オリジナリティ
(4)コストパフォーマンス
(5)常にクオリティを保つ料理全体の一貫性
の5つのポイントで評価されるらしいです。
「すし」がらみでは5つすべてにツッコミを入れたくなりそうですが、ここはひとつだけ。
コストパフォーマンスって?!「すきや橋次郎」って、おまかせコースを頼むと3万円から4万円らしいですよ。もちろんおひとり様です。それに、30分くらいで食べなくちゃいけないテンポで出るらしいです。
30分3万円=コストパフォーマンス?!
「すきや橋次郎」って店、クチコミサイトを読むとオモシロイですよ!