佐藤泰志ブームという言葉もちらほら。この「そこのみにて光輝く」も4月に文庫で復刻されるらしいです。
本当にすばらしい作品です。こういうものが埋もれていたなんて、と言うより、私が知らなかっただけですが、その時代に正当な評価を受け、そして売れていれば、また佐藤泰志さんの人生も変わっていたのかもと思いつつ、いや、その苦悩はそういった社会的評価の問題ではないのではないかとも、とにかく、周辺にいた人たちの証言が欲しいものです。
内容も、そして何より文体がストイックなのです。
そこには生きていることのリアリティが溢れています。
出てくる人物も皆魅力的です。
それだけにどこか懐かしさを感じさせてしまうという、発表年1989年、生まれてくるのが早かったのか、遅かったのか…。