ニコ生で参議院の特別委員会の中継を見ていたのですが、自民党のヒゲの隊長佐藤正久氏と愛知治郎氏の質疑が完全に中国を仮想敵国にしていることにびっくりしました。
実は、この中継の前に、昨日の本会議の模様を見たんですが、その中でも、安倍くんが名指しで、安保法案の必要性の理由に、中国の海洋進出や領空侵犯やガス田開発を上げていて、あれ?これまでこんなにはっきりと中国の名前上げていたっけ?と疑問に思ったんです。
ヒゲの隊長の質疑は、まるで中国との戦争前夜のようだ!
あらためて中継の録画を見てみないと細かいことはかけませんが、印象として、完全に中国を仮想敵国した戦争前夜のような話をしていました。
なぜこの時期に中国のガス田開発の件を発表したのかについては、もう散々言われていることですが、中国の脅威を煽ることが一番有効だと判断したんでしょうね。
それにしても、この国には外交というものはないのでしょうか?
あるいは逆? 意外にもこうした発言への中国の反発が少ないのは何か取引したのかも知れないですね。谷内正太郎国家安全保障局長が李克強首相や常万全国防相と会談したのが17日ですから、何か関係ありそうです。
いずれにしても、中国の軍事的脅威により集団的自衛権を行使する場合があるとするとどんなケースが考えられるんでしょうか?
中国がアメリカを攻撃することは考えられないことですし、仮にその意図があるとすれば、どう考えてもまずは日本の米軍基地攻撃ですから、これは個別的自衛権の行使で対応ということになります。そうすると南シナ海、フィリピンやベトナムですかね?
今回の安保法制でこれに対応しようというのは無理でしょう。フィリピンやベトナムが中国と戦争状態になって、新三要件の「日本の存立が脅かされる」ケースは考えられないです。政府の総合的判断という魔法の呪文でやるんでしょうか。
結局、心情的に危機感を煽ることが主目的と考えるべきで、実に姑息なことです。
今日の特別委員会の中継を見て感じることがいくつかあります。
安倍くんは守りに弱い。
身内の佐藤正久氏や愛知治郎氏への答弁は文章(官僚が書いているのかな?)を棒読みすることが多く、聞いていてもよく伝わってきませんが、反対意見に対して、特に民主党を攻撃する時はかなりの興奮状態で力が入り攻撃的になります。こうした攻撃性がネトウヨと言われる人たちにうけるのでしょう。
議論が成立していない。
民主党の福山哲郎氏は興奮しすぎで、これじゃダメでしょう。鬱陶しくなってミュートです。
答える側に、議論を深めてより良いものにしていこうという気がなければ、議論なんて成立しないですね。もちろん質疑側にも問題があることもありますが。
中谷元防衛大臣は本当のところよく分かっていません。
大塚耕平氏、なかなかやりますね。