白紙撤回のXデー予測は外れてしまいましたが、こうなってみると何とも悲しい話です。
佐野さんはこれからどうなるんでしょうね? 無神経に他人の写真を、それもコピーライトを消して使うなどというのは、いくらそれが外部へ出ないカンプ的なものだとしても、許されないことで、こうなるのも自業自得ということもあるでしょう。
ただ、これまでの経過を見てみると、原案が何らかの商標権に抵触しそうだというところで却下されていればこんな事にはならなかったわけで、多分、そこには、こうしたプロジェクトにつきものの「権威」というもののひとり歩きがあるのではないかと想像します。
今回の場合、実権は官僚が握っているわけで、当然ながら、官僚の責任回避は常道ですので、エンブレム決定のプロセスには「権威」を利用するわけで、その象徴が永井一正審査委員長でしょう。
これはすべて想像ですが、永井氏は、佐野氏の原案を佐野氏の作品と知っていたかどうかは別にして、自分の流れをくむものとして相当気に入ったのでしょう。
その後、似ているものがあると話が出た時に、きっと「他の作品にしよう」との意見もあったのでしょうが、永井氏が修正による方法を主張し、その「権威」に逆らえない何かが働いたのではないでしょうか。
修正の過程がどういうものであったか分かりませんが、永井氏がこうしたらどうか、ああしたらどうかと関わったとするならば、永井氏にとっては決定版は自分の作品のような思いも生まれるでしょう。
ここまで来ると「権威」が邪魔して、もう後戻りできないですよね。
多分、佐野氏にも将来の「権威」への熱望があったとは思いますが、きっとここまでバッシングを受けていることが理解できないでしょう。
デザイン業界のことは分かりませんが、ここまできますとさすがに第一線でやっていくことは難しいのではないかと思います。
今、NEWS23 で佐野氏のコメントが発表されていると言っていましたので見てみましたら、んー、まだよく分かっていないですね。これではまだ叩かれますよ、佐野さん。