安保法制成立に関わる三つの不思議 下がらぬ支持率…

下がらぬ支持率

「総理大臣の私が言うんですから間違っていない」と宣う、あの思いあがりと強引なやり方でも安倍政権の支持率は下がりませんね。

読売新聞 支持:41% 不支持:51%
朝日新聞 支持:35% 不支持:45%
毎日新聞 支持:35% 不支持:50%
共同通信 支持:38.9% 不支持:50.2%

この19日20日の世論調査の結果なんですが、あの強行採決直後でこれですからね。過去の政治的転換点の感覚で言いますとひと桁台に下がってもいいようなものですが、意外と安保法制にも賛成の人が多いのでしょうか。

まあ、日常からは遠い感覚がするということもあるのでしょう。

その点、公明党は生活の党(?)なのかよく心得たもので、安保法制ではだんまりを決め込みながら、消費税の還付方式には猛反対しています。

ネット民の安倍好き

ネットのことなど、正確に全体像をつかむなんてことは無理ですし、私自身もよく分からないことが多いのですが、ニコ生の国会中継を見ていても、時に 2ch をのぞいてみても、安倍好きの多さにはびっくりします。

あの佐野エンブレム騒動時、よく使われていた言葉に「上級国民」というのがあります。審査委員長の永井一正氏が、「一般国民にはわからない」といったことに対して、まあある種自虐的に「上級国民」という言葉が使われだしたのだと思いますが、その意味が、ある業界でのエリート意識の強い層のことを指すのだとすれば、安倍くんも含め政治家も同じだと思うのですが、なぜここでは自分たちの味方だと思うのでしょうかね。

中韓の静けさ

今後どう出てくるのか分かりませんが、特に中国の場合はまるで(じゃなく本当に)仮想敵国のように扱われているわけですから、自国の軍備拡大に利用することもあるでしょうが、それにしても両国共、懸念を示す程度で、意図的に国内の世論を煽ろうとはしていません。

そもそも両国共、日米安保条約と憲法九条のセットは、アメリカが日本の軍事力増強の抑えになっていると受け止めている部分もあるわけですから、靖国参拝なんかに比べたら雲泥の差と言えるくらい重要なことだと思いますが殊の外静かですね。

あるいは、この法案の当面の目的を見抜いているのかもしれません。

安倍くんの一番の目的は、訪米各国と対等になりたい、例えば G7 などの国際会議で紛争地の話題になった時に「自衛隊を出しますが、特別法をつくりますからちょっと時間がかかりますし、いざというときは守ってくださいね」と言わなくてはいけないことが自尊心を傷つけ、「二流国家」と言われているような気がするのでしょう。

これで、「国際平和支援法」でいつでも海外へ自衛隊を出すことができるようになり、「自衛隊法」などの改正により警護などでの武器使用が可能になるわけですから、安倍くん的には胸を張って訪米の首脳と話ができるということです。

基本、日本の戦後は全て欧米コンプレックスのもとにあるということでしょう。