昨日の中日新聞に、「沖縄基地は構造的差別」という特集記事が出ていました。作家の大城立裕さんへのインタビューを編集委員の佐藤直子さんが構成した記事のようです。
ウェブ新聞にも同じ記事がありますが、いずれリンク切れになりますので画像を貼っておきます。
6月5日に行われた沖縄県議選の結果は、全48議席のうち、翁長知事支持勢力が27議席を占めるという結果に終わったのですが、安倍政権、直接的には菅官房長官ですが、相変わらず、○○のひとつ覚えのように「日米同盟の抑止力維持と普天間の危険性除去を考えたとき、辺野古移設は唯一の解決策との考え方に変わりはない」と言っています。
で、そうした政府の無為無策で傲慢な態度に対し、大城さんが語った言葉が記事のリードになっています。
「沖縄の人は強くなった。沖縄の心をヤマトゥの人々が理解してくれないなら、日本政府だけではなく、ヤマトゥの国民からも離れていく」
実際、沖縄から随分離れた土地で暮らし、事件や事故でもないかぎり沖縄で今起きていることに触れる機会も少ない者でも、このところの沖縄はこれまでとは何かが違うと感じます。
この記事の中にもありますが、そもそも沖縄(琉球)は、明治政府が武力を背景にして侵略的に併合したとも言えるわけで、さらに遡れば、薩摩藩が武力でもって侵略している事実だってあります。
日本政府は認めていませんが、琉球民族を先住民族と認定する考え方もあり、その考えからいけば、本土の沖縄への対し方は人種差別とも言えます。
その典型が、これも記事の中にありますが、「基地収入があるでしょ」「うるおってる人だっているでしょ」といった類の差別的言動です。自分たちが嫌なことを押し付けておいて、いいことだってあるでしょなんて言い草は明らかに差別です。
大城さんは、「袋小路に陥った構造的差別を解消するには、ヤマトゥの人々に自己批判を伴う議論こそして欲しい。」とおっしゃっています。
大城立裕さんの本を読んだことがありませんので、早速読んでみようと思います。お年は90歳だそうです。