今年の3月に、和解が成立した辺野古の件、再び、日本国が沖縄県を提訴しました。
非常に分かりにくいこの一連の経緯、主要メディアはもっと大きく取り上げて解説すべきでしょう。って、やっているのかな?
- 国と沖縄県、和解(3/4)
和解条項 - 国地方係争処理委員会、判断せず(6/17)
総務省|国地方係争処理委員会に対する審査の申出に係る決定と通知 - 翁長知事、国を提訴せす、協議で解決を希望(6/18)
- 参議院選(7/10)
- 日本国、沖縄県を提訴(7/22)
和解条項を読みますと、国地方係争処理委員会が、「翁長知事の出した埋め立て承認取り消しに対し、国が出した是正指示は適法か違法か」を判断することが前提になっており、その判断に基づいて沖縄県が国を提訴するという内容ですので、その判断をしなかったということは、和解自体が白紙に戻ったということになります。
国地方係争処理委員会というものは、総務省に置かれる第三者機関で、常設みたいです。(総務省|国地方係争処理委員会|国地方係争処理委員会)
結果として、適法かどうかの判断をしなかったということは、そもそもこんな高度に政治的な問題を判断すること自体が無理だということもあるのでしょうが、総務省内の機関であることを考えれば、「違法」との結論は出せないでしょう。
和解は、見え見えの参議院選対策であったということです。
辺野古の問題を解決する唯一の方法は、これを日本全体の問題と考え、沖縄の基地、地位協定、そして日米安保、憲法をどうするか、へと国民的議論を広げていくしかないと思います。それをしなければ、辺野古を三里塚と同じ状況に陥れてしまいます。
再度、SYNODOS から伊勢崎賢治氏の言葉の引用です。
なぜなら、他のフツーの国との地位協定でアメリカが譲歩してきたのは、それらの国に「軍」があるからではなく、大きな「国民運動」があったかどうかなのです。
主要メディアは、それぞれの立場を明確にして、国民的議論を巻き起こす努力をすべきです。幸いにして、朝日、毎日、東京 X 読売、日経、産経の図式は明確になってきているのですから。