安倍晋三くんが、参議院選中に「アベノミクスのエンジンをふかす」と叫んでいた、その具体策が発表されました。
「28兆円の経済対策!」って、平成28年度の一般会計予算96.7兆円のうち、税収がおよそ58兆円なのに、どこから28兆円なんて持ってくるんだ!?と不思議でしたが、どうやら、そこにはからくりがあるようです。
右のグラフ「財源の内訳」を見てみますと、まず一番下の「国の負担 6.2兆円」のうち、4兆円が建設国債の発行、そして残り 2.2兆円は「来年度の当初予算で計上」と、この記事にはありますので、これって、来年度の収入予定を先に使ってしまう借金と同じじゃないでしょうか? それに4兆円の建設国債も赤字国債じゃないといえども、国債は国債で、要は借金ですよね。
そして、「6兆円の財政投融資」、財政投融資って、あの悪名高き、役人の天下りによる特殊法人のずさん経営をうんだやつですね。
ただ、2001年に法改正され、現在は、郵便貯金や年金の国民資産の預託ではなく、特殊法人が発行する「財投機関債」というものらしく、でもやっぱりこれも、国の信用や実際に国の「財投債」という国債で調達して特殊法人に融資するという、いざとなったら国が補填するという暗黙の了解がある資金ですから国債と同じもののようです。
そもそも国が経済対策として、特殊法人の融資分を入れているわけですから、仮にその法人が焦げ付きを出して立ちゆかなくなっても税金で埋め合わせますよと言っているようなものでしょう。
で、一番上の「政府系金融機関からの融資や民間企業の支出増加 14.6兆円」って何ですかね?
記事には「さらに国際協力銀行など政府系金融機関による融資や、国の補助金で事業を実施する民間企業が自社で支出する分」とありますが、後半の部分の意味は、多分、仮に1億円の事業に国が7000億円の補助金を出した場合の残り3000億円分ということだと思います。
つまり、その補助金はすでに予算に組まれている金額でしょうから、実際には残りの支出も予想成長率に織り込み済みなのではないかと思います。
結局、28兆円の中身は、「借金」と大風呂敷による「マインドコントロール効果」を狙ったもののようです。