昨日、天皇の生前退位についての2回めの専門家ヒアリングが行われましたが、酷い人達が入っていますね。渡部昇一氏なんて、
宮中で国と国民のために祈ってくだされば十分だ。
ですよ。
東京新聞から引用しますと、
皇室典範にあるように退位ではなく「摂政」で対応すべきだ。摂政を穏やかに置けばよい。
陛下が「摂政は好ましくない」と(の趣旨を)述べられたのは、最後まで国民の目に見えるところで象徴天皇として仕事をしたいという、ありがたい心だろう。だが宮中で国と国民のために祈ってくだされば十分だ。天皇の仕事は祈ることだ。
説得するのは安倍晋三首相がいい。陛下に「お休みください。元号も変わらないで、皇位継承権のある皇太子さまが摂政になれば何の心配もない」と話せばいい。スムーズな皇位継承がなされれば、日本の国威の宣揚にもなる。
「ありがたい心だろう」なんて、生前退位なんてとんでもないことをいい出したという嫌味ですよ。
11月7日に行われた1回目のヒアリングでは、平川祐弘氏がこんなことを言っていました。ニュースサイトはリンクが切れますから、ハフィントンからの引用です。
(天皇陛下が)ご自分で定義された天皇の役割を果たせないから退位したいというのはおかしい
要は、今上天皇が太平洋戦争の激戦地へ慰霊に行ったり、被災地を訪問されたりすることを、自分が勝手に始めたことができなくなったからやめたいというのは勝手だと言っているわけです。
この二人(だけではありませんが)に共通していることは、自分たちに都合のいい天皇であればそれでいいということです。天皇は国家統合に利用すべき存在であって、尊敬とか尊重とかの対象ではないのでしょう。
全くもって人権無視ですが、そもそも天皇に人権はないわけですし、それにこういう人たち、人権よりも「国体」という皇国史観の持ち主に「人権」なんて言葉はないのでしょう。
考えてみれば、近代国家に、天皇という「人権のない存在」があるというのも、大いなる矛盾ですね。あり得ないにしても、天皇制をやめるってのが一番すっきりします。
それにしても、有識者って何?と言いたくなりますし、その有識者が議論するために専門家の意見を聞くって、じゃあ有識者は何の有識者?と、わけが分からなくなります。