南スーダンPKO活動の日報問題、このこと自体、自衛隊(だけではない)の隠蔽体質やシビリアンコントロールは可能かなど、大問題の事件ですが、たまたま(ではないかも?)起きている2つの事件、これと森友問題は、実は根は同じではないかと思います。
PKO日報問題の経緯を見てみますと、
- 10/3 布施祐仁さん、情報公開請求
- 12/2 廃棄済みのため不開示
- その後も複数の公開請求、河野太郎衆院議員が再調査を求める
- 12/26 統幕に日報があることを把握
- 1月 陸自にも存在を把握
- 1月下旬 統幕の背広組防衛官僚が非公表を指示
- 2/6 発見と発表、内容公表
- (2月) データの存在が発覚しないよう消去
こんな感じなんです。
そもそも貴重なデータであるPKOの現場の報告を破棄するなんてことはありえません。現場は報告すれば破棄ということがあるかもしれませんが、陸自の幕僚や統幕は作戦本部ですよ、過去のデータがなくてどうやって作戦を練るんですか。
で、理由はどう考えても「隠蔽」です。
なぜ「隠蔽」するのか?
もちろん体質というのはベースにあるでしょう。ただ、それだけじゃないでしょう。
官邸=安倍は、安保法制の実績作りのために、その一部である「駆け付け警護」をPKO部隊に付与したがっている(している)、そのためには南スーダンで「戦闘行為」があっては困るわけです。
で、問題は、官邸=安倍は「隠せ」なんて言わないのに、防衛省の官僚たちは、気を使ってなのか、推し測ってなのか、要は「忖度」して隠そうとするわけです。
まあ単純にそれだけではないかもしれません。大臣の資質、制服組と背広組の主導権争いもあるのかもしれません。
いずれにしても、安倍首相本人が考え方が近いと言い、その妻が名誉校長までやっている学校に対して「特別な力学」が働くのと同じで、安倍=官邸が望まないものは隠すというのは、残念ながら官僚が官僚たる所以といえるのかもしれません。
ちなみに日報は、BuzzFeed News が全文を公開しています。