東京新聞:「政府にもの申せぬ日銀になっている」 先月退任した木内元審議委員:経済(TOKYO Web)
日銀の審議委員6人全員が、安倍政権によって任命された委員にかわったのが先月7月24日、黒田総裁の元の金融緩和政策が全会一致で進む恐れがあり、その副作用で危険な状態にあるとの見立てがあります。
政府は24日、日銀政策委員会の審議委員に元三菱UFJリサーチ&コンサルティング上席主任研究員の片岡剛士氏(44)と元三菱東京UFJ銀行副頭取の鈴木人司氏(63)を任命した。任期は5年。23日で任期を終えたエコノミスト出身の木内登英氏、佐藤健裕氏の後任で、審議委員6人全員が黒田東彦総裁の下での就任となった。
退任したそのうちの一人、木内登英(野村総研エグゼクティブ・エコノミスト)氏がインタビューに答えています。
「政府にもの申せぬ日銀になっている」
政治だけではなく、経済においても多様性が排除されているということで、これ、権力がひとつの方向に突っ走るということで一番危ないことです。
木内氏は、2013年からの異次元金融緩和についても、2年程度で見直すとの条件で賛成したようですが、結局少数派ですので、未だにその政策は続行されています。「物価上昇率2%達成を6度目の先送り」ってのがその現れのひとつです。
木内氏は副作用について「日銀の財政悪化や極端なインフレ発生の可能性」があるとも語っています。
じゃあどうするか? 木内氏は、
- 物価上昇率2%は中長期的目標とする
- 国債の買い入れを減らす
- マイナス金利はやめる
- ETF(上場投資信託)の購入を減らす
をあげています。現在の危機的状況を軟着陸させようということですね。
株価で経済状況を判断できないのは、この日銀の ETF が日本の株を下支えしているからで、2016年の購入額は4兆円余りです。今年末には日経平均の1/4の企業で日銀が大株主になる可能性があるという話もあります。