芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったか – 沈黙する言葉(旧)以後、彼の作品を何冊か図書館に予約しておいたのだが、早速「風の歌を聴け」と「1973年のピンボール」が届いた。
あっという間に、するりと読めてしまった。2時間余りだっただろうか。
うーん、何だか内容の薄っぺらい翻訳小説を読んでいるような感じだった。この一作で芥川賞は無理でしょう。それが、率直な感想だ。その意味では、私も当時の芥川賞選考委員の側にいることになる。
うろ覚えだが、市川真人の評論にあった選考委員たちの選評、「バタ臭い」「翻訳小説の読み過ぎ」などの批判的コメントがそのまま当てはまる。ましてや、時代背景からいけば、その軽さが疎まれただろうことは容易に想像できる。
これが一冊目「風の歌を聴け」を読んだ感想だ。年代を追って読んでいくうちにこれがどう変わるのか楽しみだ。
1981年に大森一樹監督で映画化されているようだ。レンタルにないか調べてみよう。