何じゃ、これ? いったい何をしようとしているのだ? と、タイトルとは違ったところから始めますが、この記事の内容、ちょっとダメでしょう。
東京新聞:日米「同盟調整グループ」を設置 平時から安保運用一体化へ:政治(TOKYO Web)
アメリカ軍に従属化する自衛隊
「調整グループ」などという穏やかな名前をつけていますが、これはかなりまずいでしょう。
何がまずいって?
アメリカの世界戦略は常にアメリカの国益を第一に考えられています。当たり前のことですし、ほとんどの国がまずは自国の国益を考えると思いますが、日本、少なくとも安倍政権は違うようです。
この「同盟調整グール」なるものも、最近顕在化してきている自衛隊のアメリカ軍への戦略的組み込みのひとつだと思いますが、これが日本の国益に反しているという話です。
アメリカの極東戦略
現在のアメリカのアジア極東戦略とは何なんでしょう? 素人の私が考えてみます。
- 中国とは対立を避けたいが、かと言って、アメリカの湖たる太平洋を渡すわけにはいかない。
- アメリカ一国で対中国軍事戦略を担うには財政的にも厳しい。
これが基本的なことだと思います。で、どうするか?
- 日本にその一部を担わせたいが、日本の暴走というリスクはゼロではない。
- 自衛隊をアメリカ軍のコントロール下に置くことでリスクヘッジする。
- これにより日中関係は先鋭化するが、中国とのパイプを確保しておけば、偶発的な衝突が起きてもコントロール可能であり、中国との直接衝突は避けられる。
南シナ海についてはどうか?
- アメリカにとっては、南シナ海の重要度はさほど高くない。
- アメリカ船籍の船が航行できれば、原則中国に譲ってもいい。
- 日本とオーストラリアに担わせればよい。
まあ、こんな感じじゃないでしょうか。
西太平洋の防波堤
日本、台湾、フィリピン、オーストラリアは、アメリカにとって西太平洋の防波堤です。冷戦時代のような(かつてはソ連と)中国「封じ込め」戦略は取りませんが、少なくとも津波は食い止めて欲しいと思っているでしょう。かといって、防波堤があまり高くて見晴らしが悪くなっても困ります。
重要なことは、アメリカは絶対に中国と事を起こしたくないと思っていることです。だからと言って好き勝手にはさせられない、そう思った時、誰だって取る手は決まっています。
およそデキる人は、自分は手を汚さず子分にやらせるでしょう。
ところが、この子分、なぜか嫌がらず喜んで自分がやりますやりますと擦り寄ってくるのです。願ってもないことです。仮に子分が何かしでかしても、親分同士で話をつける手立てを作っておけば問題ありません。子分を出頭させればすむことです。
ジャパン・ハンドラーズ、アーミテージ氏に旭日大綬章
戦後70年の調教の成果、近いところでは小泉政権時代以来のアーミテージ氏による調教の成果が実を結んでいるということなのでしょう。
ということで、あのジャパン・ハンドラーズ(日本調教師)のアーミテージ氏に旭日大綬章を贈られました。
まるで冊封国(従属国)のような日本です。