数日前の中日新聞の特集に「大企業に『官』の影」という記事があり、あらためて読んでみますと、日本経済の危うさを感じさせる内容でした。
ETF というのは、上場投資信託というものらしく、要は複数企業の株を組み合わせて取引するものですが、その ETF を日銀や年金積立金管理運用独立行政法人(年金資産を運用して損失を出していると報じられた組織 GPIF)が買いまくっているらしいのです。
これもアベノミクスの「金融緩和」の一貫でしょうが、日銀や GPIF が日本株を買い支えているということだと思います。
で、この記事によりますと、
米通信社ブルームバーグは日銀が八月初旬現在、日経平均株価を構成する二百二十五銘柄の76%(百七十一銘柄)で、上位十位以内の株主になっているという試算を発表した。さらに来年末には電通や住友不動産、オリンパスなど五十五銘柄で筆頭株主になると見通した。
日銀同様に、公的年金の積立金を運用するGPIFも株式市場に資金を投入。昨年三月時点で国内株の二千三十七銘柄を保有し、時価総額は三十一兆四千六百億円に上っている。ブルームバーグの試算で、GPIFは三菱UFJ、三井住友、みずほの各フィナンシャルグループで筆頭株主。トヨタ自動車で第二位の大株主になっているという。
仮に日銀や GPIF が筆頭株主であっても、株主総会でどうこう発言することはないでしょうが、でも事実上の公営企業みたいなものです。
このことで何が起きるのかについて、記事の中では、同志社大学の浜矩子教授がいろいろ語っていますが、いずれにしても正常なことではなく、安倍政権が潜在的に持っている「国家統制的思考」の現れだと思います。