沖縄の高江ヘリパッド建設現場に派遣されている大阪県警の機動隊員が、抗議活動をする人に対して「このボケ、土人が!」と高圧的に差別語を投げつけた事件、興奮状態で出た言葉であるにしても、機動隊員や警察官の中では、こうした差別意識が日常的なんだろうと、あらためて思い知らされます。
この関連で「人類館事件」という事件、というより、日本国が過去にやって行為なんですが、あらためて記事になったりしています。
「土人」発言は何が問題なのか 大阪で沖縄女性らが見せ物にされた人類館事件 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス
実は私も、知念正真さんの『人類館』という戯曲が、1978年に岸田戯曲賞を受賞した関連で何となく知っている程度で、舞台も見たことはありません。
で、あらためていろいろ読みますと、1903年の事件ということであっても、これ、今では信じられないことが起きています。ウィキペディアを読んでみてください。
簡単に書きますと、1903年に大阪で開催された内国勧業博覧会という、明治政府が国内産業の育成発展を目的として開いていた博覧会で、「学術人類館」という名のもと、アイヌ、台湾、琉球、朝鮮、支那など、日本国が植民地化した国や地域の人々を民族衣装姿で生活をさせるという展示をやったらしいのです。
あり得ない発想であり、行為なんですが、その時代、こうした意識が異常には感じられなかったということです。
これと同じことで、機動隊を含む警察の中では「土人」「シナ人」という差別意識が異常に感じられないのだと思います。
現実に、大阪の松井一郎知事は「出張ご苦労様」と差別を擁護する発言をし、菅官房長官は、
(沖縄)県民に対する潜在的な差別意識の表れとの指摘があることについては「そこは全くないと思う」と否定した。(琉球新報)
らしいです。これが差別でなくて何なのだ!と言いたくなります。
さらに、松井知事は、
売り言葉に買い言葉で言ってしまうんでしょう。(抗議している)相手もむちゃくちゃ言っている。相手は全て許されるのか。それをもって1人の警官が日本中からたたかれるのはちょっと違うと思う(沖縄タイムス)
などと、権力の横暴に対する抗議活動を、まるで酔っ払いの喧嘩であるかのような発言をしています。
大阪知事であり、日本維新の会代表の松井一郎氏は、権力に全く無自覚な権力者だということです。多分、彼には、何を批判されているのか分からないのでしょう。