記事一覧

桜庭一樹「私の男」男には優しく、女には厳しい

2014.07.12

映画の感想でちょっとばかり書きすぎているかも(笑)と反省し、原作を読んでみました。「私の男/熊切和嘉監督」二階堂ふみばかりをフィーチャーしすぎてドラマ自体が不明確になってしまった アイドル映画のようだ - 沈黙する言葉私の男作者: 桜庭一樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/10/30メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 442回この商品を含むブログ (4...

【女性差別ヤジ】世界よ、これが国際ジャーナリスト木村正人氏の立ち位置だ!

2014.06.23

日々閑々

やっと、ヤジった当人が名乗り出たようです。この件を知った時、ふっと気になったのは、ヤジに続いて起きた「笑い」のことで、果たして自分がその場にいたとして、どういう態度を取っただろうということです。あるいは、怒りとかに直結せず、たとえ10秒後に「何ということを!」と感じたとしても、一瞬笑ったかも知れないと思い、ちょっとばかり怖くなりました。内なる偏見や差別意識を解き放つことは本当に難しいことです...

中森明夫氏「アナと雪の女王」アナとエルサ二つの人格論をキョヒられる!

2014.06.18

日々閑々

「借りた私が悪かったです…」で終わってしまった「アナーキー・イン・ザ・JP」の中森明夫さんの話題です。多分「中央公論」掲載拒否!に引っかかったんでしょうね、読んでみましたら、結構興味深く面白かったです。下がリンクです。REAL-JAPAN » 「中央公論」掲載拒否! 中森明夫の『アナと雪の女王』独自解釈内容は、「アナと雪の女王」のアナとエルサの関係は、一人の女性の二つの人格との独自解釈から「抑...

「舞の海氏が排外発言」記事の顛末、そもそも対立構造の中の話だからねえ…

2014.05.29

日々閑々

“昭和天皇万歳”集会で――舞の海氏が排外発言 (週刊金曜日) - Yahoo!ニュース“昭和天皇万歳”集会で――舞の海氏が排外発言週刊金曜日 5月22日(木)18時20分配信改憲を唱える政治団体が4月29日、東京・明治神宮会館で開いた「昭和の日をお祝いする集い」で、厚労政務官・高鳥修一衆院議員(自民)らを先頭に、来賓と全参加者約250人が起立し、“聖寿万歳”と称し「天皇陛下万歳」を大合唱...

性同一性障害が性的違和に?

2014.05.29

日々閑々

「障害」を「症」に 精神疾患の新名称公表 (産経新聞) - Yahoo!ニュース「障害」を「症」に精神疾患の新名称公表産経新聞 5月28日(水)19時5分配信日本精神神経学会は28日、米国で昨年策定された精神疾患の新診断基準「DSM-5」で示された病名の日本語訳を公表した。子供や不安に関する疾患では「障害」を「症」に改めるなど、差別意識を生まないよう配慮した。主な例では「注意欠陥・...

井上魅夜「化粧男子」どう生きるかを悩む者はどんな哲学書よりもこの本を読むべきだ!

2014.05.20

訳あって、LGBT系、特にトランスジェンダーに関する本を読みあさっています。これ、むちゃくちゃ面白いです。化粧男子 男と女、人生を2倍楽しむ方法作者: 井上魅夜出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2012/09/27メディア: 単行本(ソフトカバー)クリック: 10回この商品を含むブログ (2件) を見る 1982年生まれですから、32歳、これまでの自分の生き様...

國分功一郎「来るべき民主主義」

2014.04.24

「暇と退屈の倫理学」と同時に読み始めた「来るべき民主主義」。こちらは哲学書ではなく、副題にもある通り、國分氏自身が小平市の都道建設問題に関わることで疑問を持った、現在の民主主義に対する具体的な提言書のようなものです。来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題 (幻冬舎新書)作者: 國分功一郎出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2013/09/28メディア: 新書...

國分功一郎「暇と退屈の倫理学」これはある種本末転倒の修正主義ではないだろうか

2014.04.21

暇と退屈の倫理学作者: 國分功一郎出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 2011/10/18メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 13人 クリック: 146回この商品を含むブログ (121件) を見る 新進気鋭なんでしょうか? 1974年生れの40歳ですから、そうでもないですね。最近よく見かけるようになった國分功一郎さんの「暇と退屈の倫理学」、なかなか面白かっ...

長谷川幸洋「2020年新聞は生き残れるか」中日新聞は「ピンクや黄色の実験室 かっぽう着アイデアも」と物語を語ったようだ

2014.04.21

日々閑々,

確か佐村河内騒動の時だったと思いますが、 某TV番組で、「メディアは物語を作りたがる」という話になった時に、自身東京新聞・中日新聞の論説委員でありながら「メディアとはそういうものだから、仕方がない」と居直っていたのが印象に残り、「2020年新聞は生き残れるか」を読んでみました。2020年新聞は生き残れるか作者: 長谷川幸洋出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/11/28メ...

STAP/笹井さんと小保方さんが、発表の前に研究室をピンクに塗り替えたらしい…(中日新聞より)

2014.03.15

日々閑々

時事ネタでも書いてみようかと「時事ネタ」カテゴリを作ってみました。 その動機(というほどのことはなく、何となくですが…)は、今朝の中日新聞の政治欄の特集(のような)記事「STAP疑惑底なし」を読んで「へー」と思ったからです。当然ながら、以下、STAP細胞の科学的な論点には全く触れていません(笑)。まずは、もう少し文書量は多かったように思いますが、ほぼ同じ内容のネット記事がありましたのでリンク...

今月の挫折本「abさんご」と推薦本「abさんご(毬、タミエの花、虹)」

2014.03.06

abさんご作者: 黒田夏子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/01/20メディア: ハードカバー購入: 9人 クリック: 912回この商品を含むブログ (32件) を見る  史上最高齢の75歳で芥川賞を受賞された黒田夏子さんの「abさんご」を読み始めたのですが、全く進みません。何度挑戦しても一ページ目ではじかれます。いかに漢字という文字が優れているか思...

鹿島田真希「冥土めぐり」これは、イヤミでも何でもなく、グチを小説にした希有な作品かも…

2014.02.20

冥土めぐり作者: 鹿島田真希出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/07/07メディア: ハードカバー購入: 4人 クリック: 287回この商品を含むブログ (37件) を見る 不思議な作品です。私には分からない世界があるように感じつつも、その分からなさそのものが分かりにくいといった感じです。いくつか疑問はあるのですが、まずはこんな話です。 三十代前...

今月の挫折本「私のいない高校」「アナーキー・イン・ザ・JP」

2014.02.10

私のいない高校作者: 青木淳悟出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/06/14メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 47回この商品を含むブログ (40件) を見る  「主人公のいない青春小説」との帯を見て、「桐島、部活やめるってよ」を思い出したのですが、それとは随分違うタイプの内容でした。そもそも小説と言えるのかどうか、文体はほとんど報告書のようです...

「佐藤泰志作品集」で暮れた今年の正月〜映画まもなく

2014.02.06

今頃正月の話もなんですが、正月休み一週間は、佐藤泰志作品集で暮れました。688ページ、二段組みですから級数もかなり小さく、厚さも数センチはあるかと思います。かなりの読みでです。佐藤泰志作品集作者:佐藤泰志発売日: 2007/10/10メディア: 単行本 佐藤泰志さんの著作は、3年ほど前にほとんど読んでいるのですが、映画「そこのみにて光輝く」の話をちらほら目にし始めたこと...

村田沙耶香「タダイマトビラ」私には白馬の王子様幻想の変奏曲に思えるのだが…

2014.01.31

タダイマトビラ(新潮文庫)作者:村田沙耶香発売日: 2017/04/21メディア: Kindle版 読み始めた十数ページは、どことなく新鮮なものを感じて、結構期待したのですが、その後読み進んでも、観念的なあるテーマから一向に拡がりをみせない展開にややうんざりし、何とかラストにたどり着いたものの、ちょっといただけないエンディングでとても残念でした。観念的なあるテーマという...

小山田浩子「工場」飛び立てない黒い鳥が何とも不気味な滑稽さを…

2014.01.25

工場作者: 小山田浩子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/03/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (22件) を見る  本を読み始める時って、まずは、ぱらぱらぱらと、全体はどんな感じかなと確認しようとしませんか? 私はします。で、びっくり! 改行がほとんどありません。最後まで、全てのページに文字がびっしりです。さらに、読み始めてびっくり! ひとつ...

芥川賞に小山田浩子さん

2014.01.19

芥川・直木賞:芥川賞小山田さん、直木賞朝井さん姫野さん - 毎日新聞小山田浩子さん? どこかで見た名前だなあと思っていましたら、何と「工場」という単行本が手元にありました。1週間ほど前に図書館から借りてきた内の1冊なんですが、たまたま目にとまっただけで、目的を持って借りたわけではありません。他のものから読み始めていますので、まだ手(目)をつけていません。借りられる期間が2週間ですので、あるい...

「生きてるだけで、愛。/幸せ最高ありがとうマジで!/ぬるい毒/本谷有希子」舞台を見ていないので何とも言えないが、戯曲より小説の道に進むべきだ

2012.03.15

本谷有希子さん、これで計5冊読みました。こんなところで、もういいような…。生きてるだけで、愛。生きてるだけで、愛。(新潮文庫)作者:本谷有希子発売日: 2018/06/22メディア: Kindle版   過眠症、メンヘルの女の必死な愛を描いています。さすがに共有できるところは少ないですが、女であれ、男であれ、今の、いわゆる等身大の若者像がよく分かります。幸せ最...

「あの子の考えることは変/本谷有希子」これ面白いです!「変」も突きつければ、気持ちいいくらいに爽やかです!

2012.02.20

これ、とにかく面白いです。笑うとか、興味をそそられるとかいった面白さではなく、その感覚に圧倒されます。あの子の考えることは変 (講談社文庫)作者:本谷 有希子発売日: 2013/06/14メディア: 文庫 地方から出てきた20代の女性二人の東京での共同生活が綴られていくのですが、あの子が変というより、二人とも変ですし、さらに言えば「本谷有希子って変!」です(笑)。「変...

「乱暴と待機/本谷有希子」映画もそれなりに面白かったので許すが、小説(多分芝居も)の方がはるかに深い。しばらくは本谷有希子を読み続けてみよう。

2012.02.13

映画「乱暴と待機」が結構面白く、小説版を読んでみました。乱暴と待機 (MF文庫ダ・ヴィンチ)作者:本谷有希子発売日: 2010/08/25メディア: 文庫 映画より、小説版のほうが私好みです。細かい違いは、ウィキペディアに詳しいのですが、一番のポイントは、映画はややコメディタッチということでしょうか。確かに小説版でも笑えるところはあるのですが、どちらかというとブラック...