この異様な風景。
フリーランスライター畠山理仁のYouTubeチャンネル から
首相官邸の記者会見室です。安倍政権では、たとえ用意された原稿を読むだけだったとはいえ、少なくとも記者たちを前に安倍前首相が会見を行ってきた場所です。
今、記者たちは別室で行われている菅首相のグループインタビューとか言われるものの音声を聞いているのです。
畠山理仁さんによれば、グループインタビューはどこか別の場所で内閣記者会常勤幹事社19社の記者とだけ行われているらしく、所属していない他の日本専門新聞協会、日本雑誌協会、外国プレス、フリーランス記者にはこの記者会見室の10席があみだくじで割り当てられるそうです。
なお、上の画像の前の方の19席はやはり常勤幹事社のもので、座っているのは1社1名に限定されたグループインタビューに入れない幹事社の記者であって、後ろのほうがその他10席ということのようです。
狂ってますね、菅政権。
首相官邸ホームページ を見てもグループインタビューについては何もありません。
記者会見は動画が残されていますがグループインタビューは公式発言じゃないという意味なのか動画がありません。
TBSニュースのノーカット映像を見てみると
グループインタビューは10月5日と10月9日の2回行われており、どちらもTBS Newsチャンネルでノーカット版が公開されています。
【ノーカット】菅首相グループインタビュー(2020年10月5日)
【ノーカット】菅首相 内閣記者会インタビュー 「任命見送りの候補6人 改めて任命はない」
この冒頭画像を見ますと、前に座っている3人が記者会見時に最初に幹事社からと言われている記者で、この3人だけに質問が許されているようです。他の記者は後ろに座って聞いているだけなんですね。
この方たち、記者やっていてこれでよく我慢できますね。
で、動画をみてみますと、
- 質問項目はあらかじめ決められている
たとえば9日は「日本学術会議」「大阪都構想」「GoToトラベルキャンペーン」「東日本大震災伝承館」「首相公邸の使い方」 - 回答は文章にして用意されている
- 質問項目であれば再質問は可能
というルールでやっているようで、なかには突っ込んで聞こうと再質問を繰り返す記者もいるようです。
9日には、日本学術会議の6名任命拒否についてかなり頑張っている記者もいます。しかし記者が何を質問しても菅首相は用意された原稿から関連部分を繰り返すだけです。質問に対する答えになっていなくても構わず原稿の一部を読み上げます。
ところがポンポンと切り替えされますと事実なのか出任せなのかどちらかはわかりませんが、ポロッと出てしまったようです。
26分50秒くらいからのやり取りです。
6名のリストはみていない
いつ推薦リストはみたのかという質問と回答を繰り返す中で、
- 最終的に決済したのは9月28日
- 推薦リストを見たのはその直前
- リストには99名が記載されていた
と答え、「その前の推薦段階のリストは見ていないのか?」との質問に
- 見ていません
と即答しています。
これはうっかりついてしまった嘘ですね。言い訳していますし、その後の目が言ってしまったという目をしています(笑)。
だって、首相に任命権があるからと拒否しているのに首相じゃない誰かが拒否したと自分で言ってしまったわけですし、じゃあ誰が拒否したんだと突っ込まれるに決まっているじゃないですか。
じゃあ誰が拒否したんだ?
と、記者はなぜ聞かない?!
考えられない答えに言葉を失ったということかも知れません。
グループインタビューって何?
そもそもグループインタビューって何かとググってみましたら、デジタル大辞泉には
調査対象者を7~8人集め、司会者が調査テーマについて質問を行い、自由に発言をしてもらうことでさまざまな意見・情報を収集する調査手法。
とあり、どうやらマーケティング用語らしく、マーケティング用語集には、
調査条件に適合する対象者を一同に集め、司会者(モデレーター)の進行のもと様々な話題について自由に意見交換してもらう座談会形式の定性調査。
一般的なアンケート調査と大きく異なる点は、座談会形式で行なうため、
・ 対象者同士の意見交換からより広く、多くの情報が取得可能
・ 対象者同士の連鎖反応によりより深い関連情報が取得可能
・ 想定外の新しい意見やアイデアが生まれる可能性。
などの効果が期待できます。
とあります。
菅首相は司会者? 記者たちは調査対象者?
どっちにしても、総理大臣がやることじゃないですし、記者たちもこれでいいの?!
記者会見は嫌だと言われた官邸官僚が考えたんでしょうか、情けないですし、呆れますし、怒れます。
全国の記者たちよ、団結せよ!
としか言いようがない状態です。